こんな意識だと転職はうまくいかない(前編)

転職するうえで何を軸に次の会社を選ぶかということは非常に重要です。
今回は意識改革の必要性を訴えたい。転職がうまくいかない人ってこんな人です。

 

1.理由はないけど大手で働きたい人

 

大手は安定しているように見えますからね、仕方ないです。
でも本当にそれでいいのでしょうか。

 

実際、大手への転職を希望している人が大変多いです。
また本人だけでなく世間体の問題もあるでしょう。
親や家族を説得するにあたり、大手への転職を目指していると言った方が受け入れられやすいからです。本人の希望だけでは説明できない部分も確かにある。

 

しかし、本当に大手でなければならないのでしょうか。
もう一度、考えてほしいです。

 

企業の寿命は実は30年ほどと言われています。
人間の一生よりはるかに短いのです。定年までいられる方がむしろ珍しいです。

 

一時の流行や過去の栄光だけで転職先を選んではいけません。
倒産、リストラの憂き目に遭います。

 

落ち目の会社は悲惨です。
もっと悲惨なのは落ち目であることが分かっていても、もう年を取っていて他に行く当てがない状況です。

 

転職するならぜひ後悔のない選択をしていただきたい。
自分の価値観を軸に将来を見据えた転職を検討してください。

 

大切なのはあなたがそこで「何をやりたいのか」ということです。

 

2.成功体験が何もない人

 

言い換えると、仕事に関するエピソードを語れない人です。

 

新卒3年くらいの25歳くらいの人だったら甘く見てくれます。
まだそれほど任される仕事も少ないでしょうし、仕方ない側面があります。
ポテンシャルに期待して採用してくれる傾向が強い年齢です。

 

しかし、30歳間近で転職しようとしている人が、今の会社での仕事について語るエピソードがひとつも何もないとすると転職はかなり難しいでしょう。
「10年近く、一体君は何をやっていたの?」となります。

 

転職活動とは、自分の携わったこれまでの仕事を振り返り、いくつかピックアップして、相手にアピールすることです。そういうアピールが無いと相手は何をもって採用を決めればいいのか分かりません。

 

当然、失敗エピソードより成功体験のほうがいいでしょう。
しかしエピソードを語るうえで結果よりも重要なのはそこに至る経緯、プロセスです。

 

何をどのように考え、どう行動し、どのような結果に至ったのか。
そして今の自分にどう結びつき、どういう影響を受けたのか。あるいは与えたのか。

 

こういうエピソードを面接官は聞きたいのです。
単に「成績が1番だった」とか「賞を獲った」とかよりも、そこに至る道が重要です。

 

転職を考えているからといって、今の仕事を疎かにしてはいけません。
何か土産話になるエピソードをこしらえてから退職してください。

 

3.自分の市場価値を理解していない人

 

あなたの年収は誰が決めているのでしょうか。

 

正解は会社です。
つまりあなたの値段を決めているのは社内の人間です。

 

これまでも述べてきた通り、転職すると年収が下がる可能性が非常に高いです。
なぜかというとあなたの年収を評価する人が変わるからです。

 

「これまで年収500万だったけど仕事がキツかった。定時に上がれるなら400万でもいい」と考えていたとしても、いざ市場に出てみるとあなたの価値が300万円くらいしかなかった、なんてこともザラです。

 

社外からの評価も勘違いしている人がいます。

 

例えば「取引先の数」です。
数を自分のアピールに使う人がいますが、それはあなたを頼って取引しているのではなく、あなたの背負っている会社の看板に対する信用かもしれません。

 

人脈も同じです。
すごい人とどれだけ関わっていても、退職したあとでも会ってくれるでしょうか。

 

出来るだけ早くあなたの本当の価値を知ったほうがいいです。

 

5.「今の会社がぬるい」という人

 

転職する理由に「今の会社は暇でつまらない。もっと自分を鍛えたい」という人がいます。

 

こういう人は一見情熱的に見えますが、実は人事の評価としては「工夫をしない人」という評価を受けます。

 

どうしてもっと工夫しないのでしょうか。
そんなにぬるいならもっとやる気を出せば、何でもできたはずです。

 

誰かが鍛えてくれる、スキルアップのチャンスを与えてくれるわけではありません。
自分でチャンスをつくることだってできるはずです。

 

先ほどの「成功エピソード」の話の通り、今の会社にもう少しとどまり、自分が主導した仕事をいくつかやり遂げた後、転職したほうがいいでしょう。

 

6.人にすすめられた以外の理由がない人

 

エージェントを使っていると、スカウトがくることがあります。
メールなどで「ぜひスカウトしたいです」なんて言葉がかけられます。

 

もちろん、きっかけとしてはいいです。
エージェントからすすめられた会社は、調べてみると魅力的だった。自分にも合ってそうだ。

 

この会社でやりたいこともイメージできた。
じゃあ実際に選考に進んでみるか。

 

こういう経緯なら何も問題ありません。
困った人は「スカウトが来たから……」で志望理由が終わってしまう人です。

 

スカウトメールなんてものは、あらかじめあなたが登録した内容をもとに機械的に送っているにすぎません。同じ内容のメールを他にも受け取った人が大勢います。勘違いしてはいけません。

 

あくまで転職するのはあなたなのですから、もっと主体的な理由で転職しましょう。