転職エージェントのしくみとメリット

「転職」について調べていると「転職エージェント」という言葉が出てきます。
さて「転職エージェント」って何者なんでしょうか?
またエージェントを使うとどんなメリットがあるのでしょうか?
今日はそんなお話です。

 

 

エージェントって何?

 

転職エージェントとは、転職しようとしている人の相談に乗ってアドバイスしてくれたり、履歴書や必要書類の添削をしてくれたり、また面接の練習やアドバイスをしてくれる、いわば「転職しようとしている人のアドバイザー」みたいな人たちのことです。

 

エージェント側は、ある企業が求める人物像にぴったりの人間(転職者)を紹介することでビジネスが成り立っています。というのも、エージェントの仲介で転職者が実際にその企業に就職すると企業から「紹介料」として報酬を受け取ることができるからです。

 

つまり、エージェントのお客さんは「転職者」ではなく、「(採用)企業」ということになります。これがすごく大事なので必ず覚えておいてください。

 

転職者自身はエージェントのお客さんではありません。
これを踏まえて行動しないとエージェントに愛想を尽かされてしまいます。

 

エージェントの苦悩

 

さてここで、エージェントは悩みます。
なぜか。それはこのエージェントのこのしくみによるものです。
順を追って説明します。

 

先に述べたように、エージェントは企業から報酬を受け取ります(転職者の年収の2割~3割ほどの金額)。
なので、転職者がエージェントや企業にお金を支払うことはありません。(だから、転職者は無料でエージェントを利用できます)

 

ここがミソです!
つまりエージェントの側としては、転職者を年収の高い企業に転職させたほうが自分の儲けが増えることになるんですね。そのため、ひどい場合だと転職者と企業のミスマッチを知りながらエージェントが転職を勧める場合があります。

 

また、逆にエージェントが自分の都合のみを考えて適当に「利益を確定」してしまうこともあります。どういうことか。つまり、転職者のレベルを考えて受かりやすい企業のみを選び、紹介し、複数人紹介することで早々に自分の儲けを確保してしまうということです。

 

ここにエージェントの苦悩があります。
ご理解いただけたでしょうか。

 

エージェントを使う2大メリット

 

さて、さっそくエージェントにまつわる恐い話を書いてしまいました。
ごめんなさい……。

 

でも悪いエージェントは業界でもひと握りです。また、すぐに見分けがつきます。
むしろエージェントを効果的に使うことで、より満足度の高い転職を成し遂げることができます。

 

戦略を立て、積極的にエージェントを活用しましょう。
エージェントを使うメリットは次の通りです。

 

メリットその1 企業の手の内を知ることができる

 

エージェントの目的は「(採用)企業が求める人材の確保」です。
したがって企業が求める基準をある程度知っています。つまり、合否のラインを知っているということです。

 

「どういう人が受かるのか」「どういう人はNGなのか」
最初から分かっているんですね、エージェントは。

 

だから、転職希望者から自分のスキルや経験から大きくかけ離れた企業への転職を希望した場合、つまり「身分不相応な転職」を希望した場合、エージェントはその会社へのあまり勧めないでしょう。面接のセッティングもしないと思います。

 

なぜならその人に見合わない企業を受けたとして、不合格だった場合は自分の信用に傷がつくからです。

 

あくまでエージェントは、転職者の持つ能力に見合う企業を紹介します。
これはとても冷たい言い方かもしれません。

 

でも捉え方を変えると、転職者にとってはメリットです。
なぜなら、あらかじめその企業の手の内を知ることができ、採用試験に受かりそうかが事前にある程度分かるからです。

 

転職活動は非常に体力というか、パワーを使う活動です。無駄なことは極力避けたいもの。エージェントを使うことで弾の無駄撃ちを防げます。

 

メリットその2 自分を客観的に評価してくれる

 

エージェントは情報通です。
なぜなら常に労働市場の最前線に身を置いているからです。彼らは、古い情報から新しい情報まで常日頃からたくさんの情報に接しています。

 

したがって、エージェントを通して客観的な視点から自分の価値を知ることができます。自分の値段が分かるということです。客観的に評価してくれると言えます。


例えば、自分の足りないスキルを把握できます。そしてどうすれば、あるいはどのようなスキルや資格を身に付ければ自分の市場価値が上がるのか知ることができるでしょう。

 

さらに、いま勢いのある業界や儲かっている会社を教えてもらえるかもしれません。
イチからすべて自分で調べるとなるとすごく大変です。エージェントとのやり取りを通じて、自分の頭だけでは見えてこなかったものが見えるでしょう。

 

自分はこの業界に向いていると思っていたけど、エージェントはこっちの業界を勧めてきた。確かに、考えてもみなかった業界だけど、自分には合ってる。

 

自分ではない別の誰か、つまりエージェントを使うことで、このような気づきがあるかもしれません。

 

まとめ

 

エージェントを使うと、転職者だけでは知り得なかったことを色々手に入れることができます。時間と労力の節約になると言えます。